【Q】バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる。(〇or×)

甲状腺疾患の病態と栄養管理に関する記述である。
バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる。(〇or×)

答え 〇

・どんな話か?

甲状腺機能亢進症であるバセドウ病において、ホルモンの受容体がどんな状況になっているのか?という問題です。
2種類のホルモンの関係性を整理しながら考えていきます(^^

・前提知識

【甲状腺ホルモン】
チロキシン、トリヨードサイロニン
甲状腺から分泌される
代謝を促進する作用がある

【甲状腺刺激ホルモン(TSH)】
脳の下垂体前葉から分泌される
甲状腺ホルモンの分泌を促進する作用がある

【甲状腺機能亢進症】
甲状腺ホルモンがたくさん分泌され、機能が亢進する
基礎代謝亢進(エネルギー消費量増加)、動悸、頻脈、血圧上昇、たんぱく質や脂質の分解亢進、体重減少、多汗、体温上昇などが起こる
バセドウ病はこちらに含まれる

・関係性を詳しくみる

甲状腺刺激ホルモンは、「甲状腺ホルモンの分泌を促進するという命令」を出しますが、この命令伝達には「受容体」が関わります。

少し詳しくみると
・「甲状腺刺激ホルモン」が脳から分泌される
・甲状腺にある「甲状腺刺激ホルモン受容体」に結合する
・甲状腺に「出せ」という命令が伝わる
・甲状腺から「甲状腺ホルモン」が分泌される

という流れです。

・バセドウ病の状態

バセドウ病は、免疫異常により「甲状腺刺激ホルモン受容体」に対する「抗体」が作られてしまう疾患です。

「甲状腺刺激ホルモン受容体抗体」ができると、抗体自身が「甲状腺刺激ホルモン受容体」を刺激してしまいます。

その結果、甲状腺刺激ホルモンが出ていないのに「甲状腺ホルモンを出せ」という命令が伝わり、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。(甲状腺機能亢進症)

検査でこの抗体の有無を調べたとき、できていれば「陽性」となります。
よってバセドウ病では、「甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる」という言い方がされます。

少々関係性は複雑ですが、
バセドウ病
→甲状腺機能が亢進している
→抗体ができてしまい受容体が刺激されているから

という順番で考えられるかという問題です。

また、「甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体」と聞いて、どんなものかイメージできることがポイントです(^^♪

暗記用まとめ

・バセドウ病は、甲状腺機能亢進症である。
・バセドウ病では、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体が陽性となる。

今日も勉強おつかれさまです!

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