「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思います」と話す、小学生Aさんへの給食指導である。
トランスセオレティカルモデルに基づいた指導として、最も適当なのはどれか。
「牛乳に含まれる主な栄養素について説明する。」(〇 or ×)
【考えるヒント】
トランスセオレティカルモデルと言えば、
5つの「~期」がある。
×
「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思います」と話す相手に対して、「牛乳に含まれる主な栄養素について説明する」は適切ではない。
トランスセオレティカルモデル
(行動変容段階モデル)とは、
ヒトの行動が変化する過程を5つに分類し、
各段階に合った教育を行おうとするモデル(理論)です。
栄養教育を行ううえでの考え方の1つで、
この対象者にはどんなアプローチをすればいいのか?を教えてくてます。
このモデル理解の基本は、
まず5つの段階を把握することです。
- 1.前熟考期(無関心期)
6カ月以内に行動を変えようとは思っていない。 - 2.熟考期(関心期)
6カ月以内に行動を変えようと思っている。 - 3.準備期
1カ月以内に行動を変えようと思っている。
または自分なりに始めている。 - 4.実行期
実行しているが、まだ6カ月未満。 - 5.維持期
実行しており、6カ月以上維持。
そして問題のポイントは、
まずその対象者がどの段階にいるのか把握することです。
今回の場合だと、
「牛乳は苦手だけど、明日から残さず飲もうと思っている」相手なので、
「3.準備期」になります。
「もう早速明日からやろうと思っている人」です。
ではそんな「明日からやろうと思っている人」に対して、どんなことを言えばいいでしょうか。
模範解答としては、
「じゃあその行動を宣言してみよう」や
「誰かと約束してみよう」などになります。
(自己の開放という専門用語が当てられる。)
今さら「牛乳に含まれる主な栄養素について説明」しても、もう知っているよ!と煙たがられます。(きっと小学生でも。)
トランスセオレティカルモデル問題の考え方は、
1.まずそれがどんなモデルだったか思い出す(5段階)
2.対象者がどの段階にいるか考える
3.どんなアプローチが適切か考える
という3ステップです。
似た問題を解けば、解答パターンも見えてきます(^^