【Q】重症嚥下障害患者の直接訓練に用いる嚥下訓練食品である。最も適切なのはどれか。

重症嚥下障害患者の直接訓練に用いる嚥下訓練食品である。
最も適切なのはどれか。1つ選べ。
(1)お茶をゼリー状に固めたもの
(2)牛乳にとろみをつけたもの
(3)ヨーグルト
(4)りんごをすりおろしたもの

答え 1

・どんな話か?

嚥下障害に対して行われる、嚥下訓練についての問題です。
訓練には「直接」と「間接」があるので、これを区別すること。また、「直接」の中でもどんなものが適するのか、細かい部分を見ていきます(^^

・訓練の種類

嚥下障害に対する訓練は、
食べ物を使う「直接訓練」と、
食べ物を使わない「間接訓練」に分類されます。

食べ物を使わない間接訓練とは、口や舌の運動をすることで機能を改善することや、喉のマッサージを行い、嚥下反射を促進することなどです。

・直接訓練

対して直接訓練は、嚥下しやすい食品を使って、実際に嚥下の(飲み込む)練習をすることです。

嚥下しやすい食品とは、
・密度が均一
・適度な粘度(口の中にべたべたとくっつかない)
・口の中でまとまりやすい(バラバラにならない)
・やわらかい(口の中で変形しやすい)

などの条件が挙げられます。

具体的には、ゼリーやたまご豆腐、くず湯、ヨーグルトなどが思い浮かびます。

今回の問題の場合、「(4)りんごをすりおろしたもの」は、口の中でバラバラになりやすいので、この条件には当てはまりません。

・細かい条件

直接訓練では、さらにもうひとつ、「たんぱく質含量が少ないこと」という条件が加わることがあります。

これは、「誤嚥したときの、組織反応や感染を考慮して」とされています。
(たんぱく質が多いものを誤嚥したとき、誤嚥性肺炎が起こりやすいため。)

今回の問題の場合、
(2)牛乳にとろみをつけたもの
(3)ヨーグルト

は、たんぱく質が多いので、「最も適切」とは言えません。

よって、
(1)お茶をゼリー状に固めたもの
が正解となります。

・まとめ

今回の問題の場合、
(1)お茶をゼリー状に固めたもの
(2)牛乳にとろみをつけたもの
(3)ヨーグルト
の3つは、「嚥下のしやすさ」で考えると、どれも「しやすい」といえるグループに入ります。

ただし、
重症嚥下障害患者の直接訓練という条件を考えると、「たんぱく質含量が少ないこと」が望まれます。

「最も適切」を選ぶ問題なので、嚥下のしやすさ以外になにか条件はなかったかな?と考えられれば、確実に判断できるようになります(^^♪

暗記用まとめ
・直接訓練は、食べ物を使う
・間接訓練は、食べ物を使わない
・嚥下訓練では、たんぱく質含量が少ないものが望ましい

今日も勉強おつかれさまです!