【ビタミンB1の推定平均必要量の決め方は、ちょっと特殊。】食事摂取基準(34回86番1)

日本人の食事摂取基準(2015年版)における、成人の推定平均必要量(EAR)の策定根拠に関する記述である。

ビタミンB1は、尿中にビタミンB1の排泄量が増大し始める摂取量から算定された。
(〇 or ×)

推定平均必要量って、何のための指標だった??

〇 
ビタミンB1の推定平均必要量は、尿中にビタミンB1の排泄量が増大し始める摂取量から算定された。

答えは覚えるだけ

答えはマル。
そう、ビタミンB1の推定平均必要量は、尿中排泄量を参考に決められています。

わかります、
この問題「答え」を覚えることは簡単ですが、「そもそもなにを言っているのか?」ここがむずかしいところです。

食事摂取基準とは?

食事摂取基準とは、主に健康な人を対象とした食事のガイドラインです。

「エネルギー」と「栄養素」について載っています。

それぞれ、どれくらい食べればいいか?という値が決められています。

また、栄養素に決められている数字には、『不足の回避』「過剰摂取の回避」「生活習慣病の予防」という3つの視点(目的)があります。

(なんのための数字か?の目的が違う)

栄養素の「不足の回避」について

栄養素の 『不足の回避』を目的とした指標には3つあります。

  • 「推定平均必要量」
  • 「推奨量」
  • 「目安量」

(目的は同じだけど、それぞれちょっと意味が違う。)

つまり今回の問題は、「ビタミンB1という栄養素」の「推定平均必要量(不足回避のための数字)」は、どんな根拠をもとに決めていますか?という質問です。

「欠乏症」ではない。

このとき「推定平均必要量 = 不足回避」なら、ビタミンB1の場合は「欠乏症である脚気の予防」を根拠に決めているんじゃないの??
と考えるのは良い間違え方です。

ゼロから考えればそうなるのですが、「でも実は違うんだよ、知ってた?」というのが今回の問題。

(脚気!って言って間違えてほしそうな雰囲気をしている。)

答えの通り、B1は、尿中排泄量が増大する量が根拠です。

尿中排泄量である理由

B1が尿から出てくるといことは、もう体内量は充分だよ、という合図になっています。

ということは、「尿中排泄量が増大し始める」くらい食べれば、不足は回避しているはず。そんな考え方です。

(欠乏症が出るぎりぎりではなく、もっと余裕をもったラインで、不足回避の量を設定している。B1は体内量が充分になれば尿から出てくるので、その合図がわかりやすい。)

もちろん栄養素によっては、「欠乏症」を根拠に「推定平均必要量」を設定しているものもあります。

でも今回のビタミンB1は違う。

この「例外的なポジションだな」という感覚をつかむことがポイントです(^^

marcy