【食欲/遊離脂肪酸】(34回68番2)

正解したい基礎問題

食欲と日内リズムに関する記述である。
血中遊離脂肪酸濃度の上昇は、食欲を抑制する。
(〇 or ×)

【考えるヒント】
血中遊離脂肪酸が出るタイミングはいつだった?

 ×

血中遊離脂肪酸濃度の上昇は、食欲を促進する。


遊離脂肪酸」とは、
エステル結合をしていない脂肪酸という意味です。

エステ…?

とりあえず、
トリアシルグリセロール(中性脂肪)の
構成材料になっていない状態

とイメージしておきます。

そんな遊離脂肪酸は、
ちょっとクセモノです。

遊離脂肪酸が増えるタイミング

問題の「血中遊離脂肪酸濃度」とは、
血液中にある遊離脂肪酸の量のことです。

これを何も知らない状態から考えると、
「血中に脂肪酸が多いって、
 食べて入ってきた分かな?
 つまり食後のことかな?」

となるのですが、実は違います。

もちろん脂質(脂肪酸)は食事からも摂取しますが、
体内にも蓄えられています。

そして体内に蓄えている分は、
エネルギーが足りなくなったら崩して使います。

そうです、体脂肪を分解すると、
遊離した脂肪酸が血液中に出てきます。

血中遊離脂肪酸濃度 ↑

これが起こるのは
食後ではなく、空腹時です。
(足りないエネルギーを補充したい)

問題の場面で考える

血中遊離脂肪酸濃度が上昇するのは「空腹時」。

ここから今回の問題を考えると、

→ 上昇しているのは空腹時
→ ごはんが欲しいとき
→ 食欲は抑制しない/促進する
→ 問題の「食欲を抑制する」は×

と判断することができます。

遊離脂肪酸の機能として、
食欲促進・抑制どっちだっけ?
と暗記しなくても、
場面を思い浮かべられれば答えられる問題です(^^

試験的なお話。

「遊離脂肪酸」という言葉を、
単純に「エステル結合をしていない脂肪酸」
という意味で使ったり、
「食事からの脂質を遊離脂肪酸のカタチにする」
という言い方で使ったりする場合もあります。

ですが、基礎栄養学などの
代謝に関係する問題
では、
遊離脂肪酸
= 体脂肪を分解して血中に出てきた脂肪酸
空腹時に増える

という認識でOKです。

意外と忘れていることが多いところなので、意識してみてください(^^