わが国の人口指標のうち、最近減少しているものである。
年齢調整死亡率(全死因)
(〇 or ×)
【考えるヒント】
年齢を調整した死亡率は、ふつうの死亡率とは違った。
〇
年齢調整死亡率(全死因)は、近年減少している。
人口の特徴や変動を表す人口指標に、
「年齢調整死亡率」というものがあります。
なにやらややこしそうな名前ですが、
これは予想通り「ふつうの死亡率(粗死亡率)」とは、少し異なります。
今回は、この2つを考えてみましょう。
粗死亡率
ふつうの死亡率(粗死亡率) は名前の通り、
ざっくりと死亡率を計算したものです。
例えば、
「1年間で(人口10万人当たり)何人死亡したか」など。
(この辺りの範囲は「人口10万人当たり」や「人口千人当たり」の数で考えることが多いです。)
これは高齢者が多い集団だと、値が大きくなると考えられます。
(日本も上昇傾向。)
年齢調整死亡率
対して年齢調整死亡率は、
死亡率を出そうとしている集団の年齢を調整して計算したもです。
65歳以上が50%??
ちょっと多すぎるから見本の割合(10%くらい)とみなして計算しよう、というノリです。
なぜこんなことをするかというと、
粗死亡率の値は年齢構成の影響を受けやすいからです。
例えば、高齢者の割合が多い県と、
若者が多い県の死亡率を比べるとします。
このとき粗死亡率の値だと、
「だって高齢者が多いのだから、死亡数が多いのは当然でしょ!別にウチの環境や施策が悪いわけじゃないよ」ともめてしまいます。
(正確な比較ができない。)
ですので、両者とも「人口の割合を見本に調整して」計算します。
(見本の値は用意されています。)
これが、年齢調整死亡率です。
では、日本の年齢調整死亡率(昔と今の比較)はどうなっているのかというと、「減少」しています。
もちろん高齢者は多くなっていますが、環境の改善や医療などが発達しています。
ですので、もし昔と同じ人口割合だったら?と考えると、
「死亡率は減少している」となります。
試験でのポイントは、
粗死亡率と比較して覚えることです。
2つの死亡率の存在と意味を把握して、
・粗死亡率は、上昇傾向
・年齢調整死亡率は、減少傾向
この理由に納得できれば、
解ける問題が増えていきます(^^