【ランダム化比較試験】(34回153番1)

正解したい基礎問題

ランダム化比較試験に関する記述である。
介入群は患者集団から、対照群は一般集団から無作為抽出する。
(〇 or ×)

【考えるヒント】
ランダムにする目的は??

 ×

1つの集団から無作為抽出して、介入群と対照群に分ける。


ランダム化比較試験とは、
疫学で登場する研究方法の1つです。

研究対象者を
「介入群」「対照群」に分け、
両者を比べることで研究の効果を判定します。

例えば、介入群にはトクホのお茶を飲んでもらう。
対照群には普通のお茶を飲んでもらう。
1か月後両群の体重変化をみて、トクホ茶の効果を調べる、という感じ。

名前にある「ランダム」とは、
この介入群と対照群を分けるときのお話です。

「あ、介入群の方がいいですか?じゃあそうしましょうか」ではなく、
「くじ引きで決まりました。介入群でお願いします」というイメージ。

偏りを減らす

これは、結果に影響を及ぼす
「偏り」を少なくするためのテクニックです。

正確な研究結果を出すためには、
「偏りをできるだけ減らしたい」という視点があります。
(ランダム化比較試験という方法はとくに)

もし、そのトクホ好き!ぜひ介入群で参加させて!
という人だと、きっとお茶の効果以外で体重を減らしてしまいます。
その場合、効果を過大評価してしまいます。

ということは!
そもそもの集団が違っていると、
その時点で偏りが生じている
と考えられます。

つまり問題の
「介入群は患者集団から/対照群は一般集団から」は、
この時点で偏っています。
(病気の有無が結果に影響を与えるかもしれない。)

せっかく偏りを減らすためにランダムに分けたとしても、時すでに遅し、となります。
よって答えは × です。

正しくは「同じ集団を、ランダムに介入群と対照群に分ける」です。(^^

ポイント

「ランダム化(無作為抽出)」の目的を考える。

偏りを減らしたいから、ランダムにしているはず。
もしそうなら、そもそもの集団が分かれているのはおかしいはず。

無作為抽出するのはいいけど、
対象の集団が偏ってるじゃん!
今回はこんな視点がポイントでした。